店長の横領発覚!経営者が取るべき法的・心理的対応と再発防止策
店長の横領発覚!経営者が取るべき法的・心理的対応と再発防止策
今回は、飲食店の経営者の方から寄せられた、店長の横領発覚という深刻な事態に対するご相談にお答えします。横領という事態は、経営者にとって非常に精神的な負担が大きいものです。法的措置はもちろんのこと、今後の店舗運営や従業員との関係性にも影響を及ぼすため、冷静かつ適切な対応が求められます。
はじめまして。飲食店を経営しております法人の代表者です。お恥ずかしいことに、たった今店長による昨夜の売り上げに対する横領が料理長からの報告により発覚しました。詳細としましては昨夜39名様で常連様(法人)より宴会(コース・飲み放題)のご予約があり、17時~20時まで貸し切りで営業させていただきました。当初おひとり様5000円のご予算でのご予約でしたが、開催前日に幹事様よりお電話をいただき予算を増やすから料理をワンランク上げてくれ、とのご用命を店長が承りました。店長は額をハッキリ伝えず「6000円くらいのコースになりましたので・・・」と料理長に伝え、料理長からの要望もあり日頃のご愛顧も含めまして7000円相当額のコースをご提供するように指示をいたしました。宴は滞りなく終了しました。その後20:30より通常営業を行い、23時閉店となりました。そして本日売上金をATMへ入金に行く料理長より6000円(税込み)×39名様だったはずが、おひとり様5000円で上がっているとの報告を受けました。(料理長は店長より年上で在籍年数も長いのでお金の管理を任せております) そこで私はピンときまして、料理長が個人的に疑問を投げかけた形で店長にラインで連絡をさせました。すると、即座にTELがかかり「酒が安く仕入れられたので5000円しかいただかなかったんです」という理解しがたい内容の報告を受けたそうです。ちなみにレジはスマレジさんというデジタルレジを導入しております。そこで、料理長を店舗まで派遣し確認しましたらいつも使っている手書きの領収書台帳ではないものが奥にあり、情けないことに宛名や日付などに間違いのない、なんと7000円×39名様分の領収書控えが出て参りました。料理長も大変かわいがっていただいております法人様という事もあり、失礼ながら昨夜の御礼を兼ねてそれとなく伺ったところ、お支払いいただいた金額は1名様7000円相当の物だったとの事でした。また、昨日17時よりスタートだったのですが、16:30の時点で5000×39名様分の金額をレジで売り上げ計上していました。本来ですと団体様のご予約の場合どうしても当日人数の増減がございます。ですので、どんなことがあっても事前にレジ計上はしないのが普通です。ですので、店長当人の心の中では5000円(計上金額)と7000円(計画金額)の差額が2000円あり、なおかつ39名様程度の規模なのでお客様が多少ご欠席されても5000円×39名様の金額を下回る事がないという確信があったこその行動だと考えられます。(推測ですが)私が理解できないのは、なぜ領収書をそのまま店内に置いていたのか、つぎに6000円にグレードアップしたと料理長に伝えて金額的な証拠を残していた割に、なぜ売上伝票を5000円で上げたのか・・・ということです。こんなことは言いたくありませんが、「おひとり様6000円くらいで」と料理長に告げているので、当初から横領目的で7000円頂いたことを伏せたにしろ、6000円の売り上げで会計をあげていれば、予定額の通りですのでもしかすると発覚しなかったかもしれません。バレてくれ、と自分から証拠を出しているようなものですので、なぜこのようにずさんな事をしたのか理解に苦しみます。恥ずかしながら当店長において1年前にも週末の売上金120万円をキャバクラで泥酔し紛失した事がありました。この時も売上金が少しずつ少なかったので2週間くらいした時に問い詰め薄情をしました。当人が横領ではなく、本当に紛失し警察に紛失届を出したと言い張りましたので、分割弁済にて穏便に済ませました。返済は完済できておらず半分程度残っております。それ以外にも、これは先月末の話ですが何の事前相談・事後報告もなく売上金に対して現金立て替え処理がしてあり、飲食費として領収書(30,000円)が入っており売上金から30,000円が抜かれていました。当該店長に問いただすと、スタッフと食事に行った代金だ、と言いますので勝手な経費計上はできない、と拒否をした事件があったばかりです。店長自身にはまだ話しをしておりません。私自身相当に精神的ダメージを受けており、火曜日にでも精神科に受診したいと考えています。また、今回は徹底的に戦い、刑事的に罰を与えたいと考えています。どのような事をすればよいでしょうか?アドバイスいただけましたら幸いです。※私自身が甘い、ぬるい、などという事は重々わかっておりますので、申し訳ございませんが、それ以外の味方的なご意見でお願い致します。
ご相談ありがとうございます。今回の件は、経営者の方にとって非常にショックな出来事だったと思います。まずは、ご心痛お察しいたします。今回のケースでは、横領の発覚だけでなく、過去にも同様のトラブルがあったとのことですので、より慎重な対応が求められます。以下、法的対応、精神的ケア、そして再発防止策について、具体的なアドバイスをさせていただきます。
1. 法的対応について
まず、法的対応についてですが、今回の店長の行為は、刑法上の横領罪に該当する可能性があります。横領罪が成立するためには、以下の要素が必要です。
- 横領の事実: 今回のケースでは、売上金の一部を着服したという事実が明確です。領収書の控えと実際の入金額の差額、店長の言い訳などから、横領の事実を裏付ける証拠は揃っています。
- 占有の意思: 店長は、売上金を管理する立場でありながら、それを自分のものとして使用する意思があったと判断できます。
これらの要素が揃っている場合、刑事告訴を検討することができます。刑事告訴を行うことで、警察による捜査が開始され、店長が起訴されれば、刑事罰が科せられる可能性があります。
具体的な法的対応ステップ:
- 弁護士への相談: まずは、刑事事件に詳しい弁護士に相談し、今後の対応についてアドバイスを受けることが重要です。弁護士は、証拠の収集、告訴状の作成、警察とのやり取りなど、法的手続きをサポートしてくれます。
- 証拠の収集: 横領の事実を裏付ける証拠を収集します。具体的には、
- 領収書の控え
- レジの記録
- 銀行の入金記録
- 店長のLINEでのやり取り
- 料理長の証言
などです。これらの証拠は、刑事告訴や民事訴訟において重要な役割を果たします。
- 警察への相談と告訴: 弁護士と相談の上、警察に被害届を提出し、告訴を行うことを検討します。告訴状には、横領の事実、証拠、店長の氏名などを記載します。
- 民事訴訟の検討: 刑事告訴と並行して、損害賠償請求のための民事訴訟を検討することもできます。民事訴訟では、横領によって生じた損害(着服された金額、弁護士費用など)を店長に請求することができます。
法的対応は、証拠の収集や手続きが複雑になる場合がありますので、必ず弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けるようにしてください。
2. 精神的ケアについて
今回の件で、経営者の方が精神的なダメージを受けているのは当然のことです。精神的なケアも非常に重要です。以下、具体的な対応策を提案します。
- 専門家への相談: 精神科医やカウンセラーに相談し、専門的なサポートを受けることを強くお勧めします。精神科医は、必要に応じて薬物療法を行い、カウンセラーは、心のケアや問題解決のサポートをしてくれます。
- 休息とリフレッシュ: 十分な休息を取り、心身をリフレッシュする時間を作りましょう。趣味に没頭したり、自然の中で過ごしたりすることで、ストレスを軽減することができます。
- 信頼できる人への相談: 家族や友人など、信頼できる人に悩みを打ち明け、話を聞いてもらうことも有効です。
- 情報収集: 同じような経験をした人の体験談を読んだり、専門家の意見を聞くことで、心の整理ができることがあります。
精神的なケアは、早期に行うことが重要です。一人で抱え込まず、専門家のサポートを受けながら、心身の回復に努めてください。
3. 再発防止策
今回の事件を教訓に、再発防止策を講じることが重要です。以下、具体的な対策を提案します。
- 金銭管理体制の見直し:
- レジシステムの強化: 売上金の管理を徹底するため、最新のレジシステムを導入し、不正を防止する機能を活用しましょう。例えば、売上金額と実際の入金額の照合を自動化する機能や、不正な取引を検知する機能を導入することが有効です。
- 複数人でのチェック体制: 売上金の入金、領収書の発行、経費の精算など、金銭に関わる業務は、複数人でチェックする体制を構築しましょう。これにより、不正が行われるリスクを低減できます。
- 定期的な監査: 定期的に会計監査を行い、金銭管理体制が適切に機能しているかを確認しましょう。外部の専門家による監査も有効です。
- 従業員教育の徹底:
- コンプライアンス研修: 従業員に対して、コンプライアンスに関する研修を実施し、不正行為に対する意識を高めましょう。
- 金銭管理に関する教育: 金銭管理の重要性や、不正行為が発覚した場合の法的責任について、従業員に教育しましょう。
- マニュアルの作成: 金銭管理に関するマニュアルを作成し、従業員に配布しましょう。マニュアルには、具体的な業務手順、不正行為の防止策、報告義務などを明記します。
- 人事管理の強化:
- 採用時のチェック: 採用時に、応募者の経歴や性格などを詳しく調査し、不正行為を行う可能性のある人物を排除しましょう。
- 定期的な面談: 定期的に従業員との面談を行い、職場の状況や個々の問題点などを把握しましょう。
- 評価制度の見直し: 従業員の評価制度を見直し、不正行為を行った場合は厳しく評価する仕組みを導入しましょう。
- 内部通報制度の導入:
- 相談窓口の設置: 従業員が不正行為を発見した場合に、気軽に相談できる窓口を設置しましょう。
- 匿名での通報: 匿名での通報を可能にし、従業員が安心して情報を共有できる環境を整えましょう。
- 通報者の保護: 通報者のプライバシーを保護し、不利益な扱いを受けないように配慮しましょう。
これらの対策を講じることで、横領などの不正行為を未然に防ぎ、健全な経営体制を構築することができます。
今回の件は、非常に大変な出来事でしたが、適切な対応と再発防止策を講じることで、必ず乗り越えることができます。困難な状況ではありますが、諦めずに、一つ一つ問題を解決していくことが重要です。
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4. 今後の店長との対応
店長との今後の対応についても、慎重に進める必要があります。以下、具体的なアドバイスをします。
- 事実確認: まずは、店長と面談し、事実関係を確認しましょう。店長が横領を認めるのか、否認するのかによって、今後の対応が変わってきます。
- 弁護士同席: 面談には、弁護士に同席してもらい、法的観点からのアドバイスを受けることが重要です。
- 処分: 横領の事実が確認された場合、懲戒解雇などの処分を検討する必要があります。就業規則に則り、適切な処分を行いましょう。
- 弁済交渉: 横領された金額について、店長との弁済交渉を行うこともできます。分割払いや一括払いなど、状況に応じて交渉を進めましょう。
- 感情的にならない: 店長との対応では、感情的にならないように注意しましょう。冷静さを保ち、客観的な視点から対応することが重要です。
店長との対応は、感情的になりやすく、難しい局面となる可能性があります。弁護士のアドバイスを受けながら、慎重に進めてください。
5. 経営者としての心構え
今回の件を通じて、経営者として改めて心に留めておくべきことがあります。以下、いくつかのアドバイスをします。
- 自己責任: 経営者として、従業員の不正行為に対して責任を負う覚悟を持ちましょう。
- 情報収集: 常に最新の情報を収集し、リスク管理能力を高めましょう。
- 変化への対応: 変化を恐れず、積極的に新しい技術やシステムを導入し、経営体制を改善しましょう。
- 従業員とのコミュニケーション: 従業員とのコミュニケーションを密にし、信頼関係を築きましょう。
- メンタルヘルスケア: 経営者自身のメンタルヘルスケアにも気を配りましょう。
経営は、常に困難が伴うものです。今回の件を乗り越え、より強固な経営体制を築き上げてください。
今回のケースは、非常に複雑で、多くの課題が絡み合っています。法的対応、精神的ケア、再発防止策、そして店長との対応など、多岐にわたる対応が必要となります。しかし、一つ一つ丁寧に対応していくことで、必ず解決の道は開けます。焦らず、冷静に、そして専門家のサポートを受けながら、問題解決に取り組んでください。応援しています。
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