嚥下障害の父への胃瘻、どうすれば？経験者や医療関係者の意見を聞きたい
嚥下障害の父への胃瘻、どうすれば？経験者や医療関係者の意見を聞きたい
この記事では、77歳のお父様の嚥下障害に関する深いお悩みについて、専門的な視点と具体的なアドバイスを提供します。脳梗塞や小脳出血を経験し、嚥下障害が悪化しているお父様が、胃瘻を検討する中で、食べることへの強い意欲と葛藤されている状況は、ご家族にとって非常に心苦しいものです。この記事では、嚥下障害の現状、胃瘻の選択肢、そして口から食べることを継続するための具体的な方法について、詳しく解説していきます。医療的な側面だけでなく、ご家族の心情に寄り添い、より良い選択をするための情報を提供します。
嚥下障害について。父77歳が現在入院中です。50代で脳梗塞を2回、10年前に小脳出血で倒れリハビリ入院を半年程しましたが、デイケア等に通所しながら自宅で過ごしておりました。
少しずつ少しずつ、歩行、嚥下症状は悪くなっていったのですが、ここ1年ほどよく転ぶようになり嚥下障害も見ていられないほどひどくなってしまいました。（お刺身や、デミグラスの柔らかく煮たハンバーグなど、うまく食べれる食品もあります）白い痰がよくからみ、食事が喉を通らずいっしょに吐き出してしまう…そんな症状です。かなりの頻度であるため体重も減ってきたため、インシュアやメイバランスを飲んで不足がちな栄養を摂っておりました。
家ではご飯前に必ず20分ほどの口腔体操。毎日ではないもののカラオケを5曲ほど歌ったりしておりました。散歩は時々行く程度で体力はどんどん落ちています。しかし、認知はなく、うまく歩けない＋嚥下がうまくできないこと以外は、とても元気です。
この度、定期検診に行ったところ、医師の前でふらついてしまったこともあり、歩行、嚥下の検査、リハビリを行いましょうとのことで突然の入院となり今に至ります。
コロナの影響で面会禁止で全く会うことができないのですが、やはり痰が邪魔をし嚥下がうまくできず、誤嚥肺炎も心配で時々酸素マスクをつけたりしていると看護師さんに聞きました。
家で栄養補助ドリンクは1本だったことに対し、病院では毎食にでていると聞きました。
『胃瘻』という話がでてきています。胃瘻をしながら、口からも食べれるとも聞いております。父のむせる苦しさ、食べたいものをうまく食べれないもどかしさ、誤飲肺炎の可能性、すべてを考えると胃瘻もありかな？と考えます。
しかし、食べることが大好きで、むせながらも、おしるこ食べたい！パンを食べたい！と口腔体操を食事前に何度もやっている父を見ると、どうしても胃瘻をすすめたくない、出来る限り口から好きなものを…噛んで味の感覚を…という気持ちがあります。実際、好きなものは本当に上手に食べるんです。水はとろみをつけないとうまく飲めないのに、コーラはそのままでも飲めたりなど。
家では、おかゆ、食材は一口サイズにしたり、魚は解したり、ソースやとろみ材を上手に使い母が調理をしてスプーンで食べています。近頃は、ムース食もあわせて試してみようかと家族内で話し合っていたところの突然の入院でした。（刻み食は余計むせるようでしたので）
入院中なので（予定ではあと1週間程）父の気持ちはわかりませんが、医療関係の方々、経験者様などのご意見を伺いたいです。よろしくお願いいたします！
嚥下障害の現状と課題
ご相談者様のお父様は、過去の脳血管疾患の影響で嚥下機能が低下し、さらに転倒による体力低下も加わり、嚥下障害が深刻化している状況です。食事中にむせたり、吐き出したりする症状は、誤嚥性肺炎のリスクを高め、栄養摂取の妨げにもなります。しかし、お父様は食べることへの強い意欲があり、口腔体操や好きなものを食べることで、その欲求を満たそうとされています。このジレンマが、ご家族の大きな悩みとなっていることでしょう。
嚥下障害は、単に食べ物を飲み込む機能の問題だけでなく、生活の質（QOL）にも大きく影響します。食事は、楽しみであると同時に、栄養摂取という生命維持に不可欠な行為です。嚥下障害により、食事が困難になると、栄養不足による体力低下、免疫力の低下、そして精神的な落ち込みを引き起こす可能性があります。一方で、誤嚥性肺炎のリスクを避けるために、食事を制限することは、食べる喜びを奪い、QOLを低下させることにもつながります。
今回のケースでは、入院によって専門的な検査やリハビリが受けられる環境にあります。しかし、面会制限があるため、ご家族は直接お父様の様子を見ることができず、情報も限られているため、より一層不安を感じていることでしょう。医療従事者との連携を密にし、適切な情報収集と意思決定支援を受けることが重要です。
胃瘻の選択肢とメリット・デメリット
胃瘻は、嚥下障害が進み、口から十分な栄養摂取が困難な場合に検討される栄養補給の方法です。胃瘻とは、お腹に小さな穴を開け、そこから胃に直接栄養剤を送り込む方法です。胃瘻には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット
- 栄養状態の改善: 確実に栄養を摂取できるため、栄養不足による体力低下や免疫力の低下を防ぐことができます。
- 誤嚥性肺炎のリスク軽減: 口から食べ物を摂取しないため、誤嚥のリスクを減らすことができます。
- 負担の軽減: 食事の準備や介助の負担を軽減することができます。
デメリット
- 手術が必要: 胃瘻の造設には手術が必要です。
- 合併症のリスク: 感染症や出血などの合併症のリスクがあります。
- 見た目の変化: お腹に穴が開くため、見た目の変化が生じます。
- 食べる喜びの喪失: 口から食べることができなくなる可能性があります。
胃瘻を選択する際には、これらのメリットとデメリットを総合的に考慮し、ご本人とご家族の意向を尊重することが重要です。胃瘻は、必ずしも口から食べることができなくなるわけではありません。胃瘻を造設しながら、口から少量ずつ食べ物を摂取する「経口摂取訓練」を行うこともあります。この場合、食べる喜びをある程度維持しながら、栄養状態を改善することができます。
口から食べることを継続するための方法
お父様のように、食べることへの強い意欲がある場合は、口から食べることを継続するための努力をすることが重要です。以下に、具体的な方法をいくつかご紹介します。
1. 嚥下リハビリテーション
嚥下リハビリテーションは、嚥下機能を改善するための専門的な訓練です。言語聴覚士（ST）などの専門家による指導のもと、嚥下に必要な筋肉を鍛えたり、安全に食べ物を飲み込むための方法を習得したりします。具体的には、口腔体操、姿勢調整、食事形態の工夫などを行います。
2. 食事形態の工夫
嚥下しやすい食事形態に工夫することも重要です。刻み食やミキサー食だけでなく、とろみ剤の使用、ゼリー食、ムース食など、様々な形態を試してみましょう。お父様の状態に合わせて、最適な形態を見つけることが大切です。専門家（管理栄養士など）に相談し、栄養バランスも考慮した献立を作成してもらいましょう。
3. 食事環境の調整
食事環境を整えることも、安全に食事をするために重要です。食事中は、テレビを消し、落ち着いた雰囲気で食事に集中できるようにしましょう。姿勢を正し、ゆっくりと時間をかけて食べることも大切です。また、食事前に口腔ケアを行い、口の中を清潔に保つことも、誤嚥性肺炎の予防につながります。
4. 食事介助の工夫
食事介助をする際は、食べ物の量や速度に注意し、むせやすい場合は、少量ずつゆっくりと食べさせましょう。体調や気分に合わせて、食事のペースを調整することも大切です。介助者は、お父様の表情や様子をよく観察し、無理強いしないように心がけましょう。
5. 医療チームとの連携
主治医、看護師、言語聴覚士、管理栄養士など、医療チームと連携し、定期的に嚥下機能の評価を行い、状態に合わせた適切なアドバイスを受けましょう。ご家族だけで抱え込まず、専門家のサポートを得ることが重要です。情報共有を密にし、疑問や不安があれば、遠慮なく質問しましょう。
ご家族ができること
ご家族は、お父様の気持ちを理解し、寄り添うことが大切です。食べることへの意欲を尊重し、できる限り口から食べられるようにサポートしましょう。具体的には、以下のようなことを心がけましょう。
1. コミュニケーション
面会が制限されている状況でも、電話やビデオ通話などを活用し、お父様とのコミュニケーションを積極的に行いましょう。近況報告をしたり、昔話に花を咲かせたりすることで、心のつながりを保ちましょう。お父様の気持ちを理解し、共感することで、安心感を与えることができます。
2. 情報収集
医療チームから、お父様の状態に関する情報を積極的に収集しましょう。検査結果や治療方針について、詳しく説明を受け、理解を深めることが大切です。疑問点や不安な点は、遠慮なく質問し、納得のいくまで説明を受けましょう。
3. 意思決定支援
胃瘻の選択など、重要な意思決定をする際には、お父様の意向を尊重し、本人の意思を最大限に反映できるように努めましょう。医療チームと連携し、情報提供や意思決定支援を受けながら、最適な選択肢を選びましょう。
4. 精神的なサポート
ご家族自身も、精神的な負担を感じることがあるかもしれません。一人で抱え込まず、家族や友人、専門家などに相談し、心のケアを行いましょう。息抜きをしたり、気分転換をしたりすることも大切です。
5. 積極的な情報収集と学習
嚥下障害や胃瘻に関する情報を積極的に収集し、理解を深めましょう。インターネットや書籍、セミナーなどを活用し、知識を深めることで、より適切な対応ができるようになります。同じ悩みを持つ人たちの体験談を聞くことも、心の支えになるでしょう。
今回のケースでは、お父様は入院中であり、ご家族は面会制限という状況下で、多くの不安を抱えていることと思います。しかし、医療チームとの連携を密にし、適切な情報収集と意思決定支援を受けることで、より良い選択をすることができます。お父様の気持ちを尊重し、できる限り口から食べられるようにサポートしながら、QOLを維持していくことが重要です。
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専門家への相談と情報源
嚥下障害に関する悩みは、ご家族だけで抱え込まず、専門家に相談することが重要です。以下に、相談できる専門家と、役立つ情報源をご紹介します。
相談できる専門家
- 医師: 主治医は、お父様の病状を最もよく理解しており、適切なアドバイスをしてくれます。
- 言語聴覚士（ST）: 嚥下機能の評価やリハビリテーションに関する専門家です。
- 管理栄養士: 食事形態の工夫や栄養管理に関する専門家です。
- 看護師: 日常的なケアや、食事介助に関するアドバイスをしてくれます。
- ソーシャルワーカー: 医療費や介護保険に関する相談に乗ってくれます。
役立つ情報源
- 日本摂食嚥下リハビリテーション学会: 嚥下障害に関する最新の情報や、専門家を探すことができます。
- 各医療機関のウェブサイト: 嚥下障害に関する情報や、リハビリテーションプログラムについて知ることができます。
- 地域の介護保険相談窓口: 介護保険サービスの利用や、相談窓口について教えてくれます。
- インターネット検索: 信頼できる情報源から、嚥下障害に関する情報を収集することができます。ただし、情報の信憑性には注意が必要です。
これらの情報源を活用し、積極的に情報収集を行い、専門家のアドバイスを受けながら、お父様のQOLを維持するための最善の選択をしてください。
まとめ
77歳のお父様の嚥下障害と胃瘻に関する悩みは、多くのご家族が直面する問題です。今回の記事では、嚥下障害の現状、胃瘻の選択肢、口から食べることを継続するための方法について、詳しく解説しました。ご家族は、医療チームと連携し、お父様の気持ちを尊重しながら、最適な選択をすることが重要です。嚥下リハビリテーション、食事形態の工夫、食事環境の調整、食事介助の工夫など、できることから始めましょう。そして、専門家への相談や情報収集を積極的に行い、お父様のQOLを維持するためのサポートを続けていきましょう。
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