居抜き物件の賃貸契約トラブルを解決!弁護士に頼る前にできること
居抜き物件の賃貸契約トラブルを解決!弁護士に頼る前にできること
この記事では、居抜き物件の賃貸契約に関するトラブルについて、具体的な解決策と注意点を探求します。特に、契約内容の曖昧さや、貸主との関係性におけるリスクについて焦点を当て、あなたが安心して事業を継続できるよう、法的知識と実践的なアドバイスを提供します。賃貸契約、退去時の修繕費、そして貸主との交渉術について、具体的なケーススタディを通じて解説します。
まず、今回の相談内容を見ていきましょう。
はじめまして。長くなりますがテナントの賃貸トラブルにお詳しい方、よろしくお願い致します。
私は現在居抜きのテナントを借りて飲食店を経営しています。そのテナントは持ち主である大家さんからAさんという方が借りており、私はそのAさんから又貸しという形で借りています(そのことは大家さんも了承済みです)。
そのAさんから先日正式に契約書が送られてきました。
Aさんから送られてきた契約書は曖昧な部分が多く、諸々の請求費用に関して上限が定められておりませんでした。(例えば、現在Aさんに対して支払っているロイヤリティがあるのですが、「甲(Aさん)はロイヤリティを年2回変更できる」といった内容や、「退去時の修繕費やその他の費用を乙(私)に請求できる」といった内容が記載されていました)
一見すると普通の内容にも見えましたが、上限が設定されていない以上、極端な話請求額が青天井ともとれる内容です。
何かあった場合不当な額を請求される恐れがあるのではと危惧しています。
というのも、Aさんは現在多額の借金を負っており、よく金銭的なトラブルをよく起こす方のようなのです。金銭的なトラブルだけでなく、例えば双方の合意なしに仕事上の契約を唐突かつ一方的に打ち切ったり、「あなたのせいでこちらの事業に損害が出た、あなたにはその分の補填をしてもらう」と適当な難癖をつけてきて、明確な資料も提示しないまま高額な損害賠償をしてきたりなど、常識を逸脱した行動をされる方です。(そのことは最近になって判明しました)
そういう方なので、Aさんに契約書の内容について直接問い合わせてみたところ「退去時に請求するとしたら経年劣化や毀損などがあった場合の修繕くらいで、壁を塗り替えたり床を張り替えたりといったところまで請求するつもりはない。修繕費の費用については双方の話し合いで決める。逆に明確に書いてしまったらその方があなたにとって不利になる」と言われ、さらに「あなたが『自分が得になる』とか『自分にいいようにしよう』みたいな考えをしていると絶対に揉める。あなたはそういう考えが体から滲み出ているから周りから『利己的な人間だ』と見られているんだ」とまで言われました。
契約書を送ってきた時には物腰柔らかな口調だったのに、内容について問い合わせただけでそこまで言われたことで、Aさんに対する懐疑心もさらに強まってしまいました。
長くなってしまいましたが、質問は以下3点です。
①私としては、『ロイヤリティは月商の○%を上限として年2回変更できる』、『退去時の原状回復については、国土交通省の原状回復をめぐるトラブルとガイドラインに沿って双方で協議し、甲乙合意のもと決定する』というような、少しでも明確な文言にしてほしいのですが、それはあまり意味がないのでしょうか。それとも、Aさんの言うように曖昧な表現の方がよいのでしょうか。(解釈の違いを理由にこちらの言い分を通せるという利点もある?)
②契約内容が一方的に「甲が〜請求できる」という書き方になっているのも気になります。「双方協議の上、甲乙合意のもと請求できる」という文言を入れていればまだリスクは減らせますでしょうか。それともそういった文言は法的にはあまり意味が無いのでしょうか。
③そもそも、国土交通省のガイドラインによりますと、居抜き物件として退去する場合は次のテナント賃借人に原状回復義務が承継されること、そして経年劣化など通常の損耗については賃料に含まれている、と書かれてありますので、こちらが修繕費等を負担する必要はあるのでしょうか。退去時にAさんが経年劣化などによる修繕費を請求してくることは二重請求に当たらないのでしょうか。大家さんとの直接契約ではなく、又貸しという状況なのでどう判断すればよいか迷っています。(居抜き物件として退去していいとの旨はAさんから言質をとってあります)
本格的に揉めてきたら弁護士に相談することも考えていますが、現状そこまでいっていないので、とりあえず早急に回答を得られそうなこちらに質問してみました。また、既にお店を経営して生計を立ててしまっておりますので、「Aさんと契約しなければいい」という回答もご遠慮いただけますと幸いです。
よろしくお願い致します。
1. 契約内容の曖昧さに対するリスクと対策
契約書の曖昧さは、将来的なトラブルの火種となります。特に、ロイヤリティや退去時の費用に関する上限が明記されていない場合、不当な請求を受けるリスクが高まります。Aさんのような人物との契約では、なおさら注意が必要です。
1-1. なぜ曖昧な契約は危険なのか?
曖昧な契約は、解釈の余地を残し、当事者間の意見の相違を生みやすくします。特に、金銭的なトラブルを起こしやすいAさんの場合、不利な解釈を押し通される可能性があります。例えば、ロイヤリティの上限がなければ、売上が伸び悩んだ際に一方的に増額されるリスクがあります。退去時の修繕費についても、どこまでがあなたの負担となるのか不明確なため、高額な請求をされる可能性があります。
1-2. 曖昧な表現が良い場合もある?
Aさんは「曖昧な表現の方が良い」と主張していますが、これは非常に危険な考え方です。解釈の違いを利用して有利に進められる可能性は低いでしょう。むしろ、明確な合意がない場合、裁判になった際に不利になる可能性が高まります。例えば、口頭での約束は証拠として認められにくく、言った言わないの水掛け論になりがちです。
1-3. 具体的な対策:契約書の修正と交渉
まずは、契約書の修正を求めることが重要です。具体的には、以下の点を明確にしましょう。
- ロイヤリティ:月商に対する上限の割合、変更の頻度、変更の際の通知期間などを明記する。
- 退去時の費用:原状回復の範囲を明確にし、国土交通省のガイドラインに沿って協議することを明記する。修繕費の上限を設定することも検討する。
- その他費用:請求できる費用の種類と上限を具体的に記載する。
Aさんとの交渉では、記録を残すことが重要です。メールや書面でやり取りを行い、口頭での合意も記録に残しましょう。録音も有効な手段ですが、相手に許可を得てから行うことが望ましいです。
2. 契約内容の「一方的な条項」に対するリスクと対策
契約内容が一方的に「甲が〜請求できる」という書き方になっている場合、あなたにとって不利な状況になりやすいです。この点についても、具体的な対策を講じる必要があります。
2-1. なぜ一方的な条項は問題なのか?
一方的な条項は、貸主であるAさんに有利な条件ばかりが並び、借主であるあなたに不利な条件が課せられる可能性があります。例えば、「Aは、あなたの責任において生じた損害について、あなたに賠償を請求できる」という条項があった場合、Aさんの主観的な判断で損害賠償を請求されるリスクがあります。
2-2. 「双方協議の上、甲乙合意のもと請求できる」という文言の効果
「双方協議の上、甲乙合意のもと請求できる」という文言は、非常に重要です。この文言があれば、一方的な請求を防ぎ、話し合いの余地が生まれます。仮に紛争になった場合でも、裁判所は双方の合意があったかどうかを重視するため、あなたの権利を守る上で有効です。
2-3. 具体的な対策:条項の修正と追加
契約書に「双方協議の上、甲乙合意のもと請求できる」という文言を追加することは必須です。さらに、以下の点を考慮しましょう。
- 請求の根拠:請求できる損害の種類や範囲を具体的に明記する。
- 協議の手順:協議の方法(書面、メールなど)や、合意に至らない場合の解決策(第三者機関への相談、調停など)を定める。
- 証拠の提示:請求する側が、請求の根拠となる証拠を提示することを義務付ける。
これらの条項を追加することで、不当な請求からあなたを守り、公正な取引を促進することができます。
3. 居抜き物件の退去に関する注意点と法的知識
居抜き物件の退去時には、原状回復義務や修繕費に関するトラブルが発生しやすいため、法的知識に基づいた適切な対応が必要です。
3-1. 原状回復義務の原則
国土交通省のガイドラインによると、居抜き物件として退去する場合、次のテナント賃借人に原状回復義務が承継されるのが原則です。つまり、あなたが原状回復義務を負うのは、あなたの故意または過失によって生じた損耗や、通常の使用を超えるような損耗に限られます。経年劣化や通常の使用による損耗は、賃料に含まれていると解釈されます。
3-2. 二重請求のリスク
Aさんが、経年劣化による修繕費を請求することは、二重請求に当たる可能性があります。なぜなら、賃料の中に、通常の損耗に対する修繕費が含まれているからです。ただし、あなたの故意または過失によって生じた損耗については、別途修繕費を請求される可能性があります。
3-3. 具体的な対策:証拠の確保と交渉
退去時には、以下の点を意識しましょう。
- 写真撮影:退去前の物件の状態を詳細に写真撮影し、証拠として残しておく。
- 立ち会い:Aさんと一緒に物件の状態を確認し、修繕が必要な箇所について合意する。
- 書面での合意:修繕範囲や費用について、書面で合意する。
- ガイドラインの参照:国土交通省のガイドラインを参考に、修繕費の妥当性を判断する。
もし、Aさんが不当な修繕費を請求してきた場合は、弁護士に相談することも検討しましょう。弁護士は、あなたの権利を守るために、交渉や訴訟をサポートしてくれます。
4. 契約トラブルを未然に防ぐための追加アドバイス
トラブルを未然に防ぐためには、事前の準備と、Aさんとの良好なコミュニケーションが重要です。
4-1. 事前の準備
- 弁護士への相談:契約書作成前に、弁護士に相談し、法的リスクを評価してもらう。
- 情報収集:Aさんの評判や過去のトラブルについて、情報収集を行う。
- 契約書の精査:契約書の内容を隅々まで確認し、不明な点があれば、専門家に相談する。
4-2. Aさんとのコミュニケーション
- 誠実な対応:Aさんに対して、誠実な態度で接し、信頼関係を築く。
- 記録の保持:Aさんとのやり取りは、メールや書面で記録し、口頭での合意も記録に残す。
- 専門家との連携:必要に応じて、弁護士や不動産鑑定士などの専門家と連携し、アドバイスを受ける。
これらの対策を講じることで、トラブルを未然に防ぎ、安心して事業を継続することができます。
5. まとめ:賢い契約と交渉で事業を守る
居抜き物件の賃貸契約は、多くのリスクを伴います。特に、契約内容が曖昧であったり、貸主との関係が良好でない場合は、トラブルに発展する可能性が高まります。しかし、適切な対策を講じることで、これらのリスクを軽減し、あなたの事業を守ることができます。
今回のケースでは、契約書の修正、一方的な条項の見直し、退去時の注意点など、具体的なアドバイスを提供しました。これらのアドバイスを参考に、Aさんとの交渉を進め、トラブルを未然に防ぎましょう。もし、問題が解決しない場合は、弁護士に相談し、専門的なサポートを受けることをおすすめします。
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